ヒョウモントカゲモドキ(レオパードゲッコー)の飼い方

爬虫類の超入門種でありながら初心者からマニアまでを虜にする爬虫類界のスーパースター、「レオパ」ことヒョウモントカゲモドキ(英名:レオパードゲッコー)の飼い方を説明します。
この種の魅力は給餌の間隔が長くて世話が楽な上、様々なモルフ(品種)が生み出されており個体を選ぶ楽しみも十分にあるところです。
(2018年現在で100種類以上のモルフが存在します)

また、多湿系のヤモリやトカゲはほぼ同じ飼い方で飼えます。

予備知識

ヒョウモントカゲモドキと聞いて「モドキってなんじゃい、ヒョウモントカゲのパチモンか?」と思われるかもしれませんが、「トカゲモドキ」というヤモリの仲間です。
「ヒョウモン・トカゲモドキ」が正しい区切りで、「ヒョウモントカゲ・モドキ」ではありません(「ヒョウモントカゲ」という生物は存在しません)。
通常まぶたがないものをヤモリ、まぶたがあるものをトカゲと区別しますが、トカゲモドキはヤモリなのにまぶたがある種類のことを指します。

本種の特徴は「栄養を尻尾に貯めておく」ことができる点です。
健康なレオパの尾のイメージ健康なレオパは上記のように太い尾をしています。

病気と思われるレオパの尾のイメージ病気に感染したり、拒食が続いていると尾が痩せ細ってしまいます。
(※上の写真と下の写真は個体こそ異なりますが同じヒョウモントカゲモドキです)
本種は尻尾の太さが1つの健康のバロメーターとなります。

用意するもの

以下の記事で必要なものを紹介しています。
お迎え前に全て揃えましょう。

飼育環境について

ヒョウモントカゲモドキに必要な飼育環境を解説します。

パネルヒーターで温度勾配をつける

ヒョウモントカゲモドキは変温動物で、人間と違い自分で熱を作り出すことができません。
従って空気の温度を利用して自分の体温をコントロールしますが、ケージ内に暖かい場所とそうでない場所を作ることによって自分が心地良いと思う温度に勝手に調整してくれます。
必ずパネルヒーターをケージの下に敷き、ケージ内に「ホットスポット」を作りましょう。
ホットスポットの面積の目安は、だいたい夏は1/3程度、冬は1/2程度です。

パネルヒーターが複数枚ある場合は下に敷くだけでなく背面にも入れるとより保温を強化できます。

シェルターを2つ置く

多くの飼育書や飼い方のホームページにはウェットシェルターを1つ置いてある絵がよく載っています。
しかし、当サイトではホットスポットとそうでない場所に1つずつシェルターを置くことをお勧めします。
こうすることで、体を温めたい時にも冷やしたい時にも落ち着ける場所を作ることが出来、生体のストレスを軽減することが可能です。

登れる場所を作る

ヒョウモントカゲモドキは地表性のヤモリですが、以外にも爪が鋭く、流木や小枝等を入れると積極的に登ってくれます。
いくら地表性と言っても元々完全に平らな場所で生きているわけではなく、野生下でも岩に登ったりすることがあるため、その環境を再現するとなお生体にとって良くなります。

ただし、岩を組む場合は崩れて下敷きになったり、流木を入れる場合は鋭い面に皮膚が擦れて傷が出来たりしないよう、安全面には十分注意しましょう。

毎日の世話

レオパの世話は主に「給餌」と「霧吹き」です。
(世話自体はかなり楽な部類のペットです)

給餌について

人工飼料(グラブパイやレオパゲル)または活餌(コオロギやデュビアなど)を毎回食べるだけ与えます。
給餌の間隔は以下を参考にして下さい。

~1ヵ月:毎日
~3ヵ月:2~3日に1回
~8ヵ月:3日に1回
それ以降:3日~1週間に1回

ただし、多少の個体差はあります。
「まだ生後2ヵ月なのに4日に1回しか食べてくれない……」という場合はそれで問題ありません。
上記の目安よりも食べる頻度が少ない場合でも、強制給餌することは絶対に止めて下さい
給餌間隔が長くても、食べられていれば問題ありません。
そのような状態で強制給餌するとトラウマになり拒食する可能性が出てきます。
多少の誤差であれば気にしなくて大丈夫です。

餌を食べない場合はこちらを参照して下さい。

活餌を使う際は頭を潰すこと

※ショッキングな画像が出てきますので、苦手な方は注意して下さい。

レオパに限らず昆虫食の爬虫類全てに言えることですが、活き餌は生きているため、生体の腹の中で死ななかった場合に胃を食い破るという事態が発生することがあります。
コオロギ等の活き餌を使う場合、必ず頭を潰して給餌しましょう。
特にフタホシコオロギやジャイアントミルワームは噛む力が強いので、給餌の際は必ず頭を潰しましょう。
胃を食い破ったコオロギ上記の写真は給餌の際にレオパの口の中に噛みつき、吐き出されたコオロギです。
胃を食い破られたレオパコオロギに口内を齧られたレオパです。
フタホシコオロギは噛みつく力が非常に強く、ショックと出血多量でこのレオパは命を落としてしまいました。
コオロギは生命力が強くない生き物ですが「窮鼠猫を噛む」ということわざが本当にある、ということを示しています。

カルシウムパウダーについて

飼育書には良くカルシウムパウダーをダスティングするように書かれていますが、当サイトではダスティングはお勧めしません
カルシウムの過剰摂取は生体の内臓に負担をかけてしまうので、ダスティングという方法をとると過剰摂取なのか否かの判断がつきにくいためです。

野生下でのヒョウモントカゲモドキは石灰岩を舐めることによってカルシウムを摂取するという性質があるので、そもそも必要な分のカルシウムは自分で調整出来るようになっているのです。
カルシウムパウダーはダスティングするのではなくペットボトルのキャップ等に入れてケージ内に常設し、生体が好きな時に好きなだけ舐められるようにしておきましょう
なお、そのような事情があるのでカルシウムパウダーは石灰岩から作られているものがお勧めです。

(※人工飼料を使う場合は基本的にカルシウムパウダーは必要ありません。人工飼料は最初からそのあたりをきちんと考慮された上で作られています)

霧吹きについて

レオパは多湿系のヤモリですので、湿度を保つために朝晩2回ケージに霧吹きを行います。
ケージの壁全てに水滴を作るような感じで霧吹きして下さい。
水入れから直接水を飲むこともありますが、壁についている水滴を舐める方が好きな個体が多いです。
生体に直接かける必要はありません。

湿度を保つことは脱皮不全の予防につながります。
常に60%前後の湿度をキープできるように頑張りましょう。

脱皮について

脱皮中のレオパードゲッコー

爬虫類は定期的に脱皮を行います。
レオパの場合、脱皮前になると体が白っぽくなってきます。
こうなった場合は湿度を高めに保ち、そっとしておいてあげましょう。
湿度が低いと脱皮不全を引き起こすので、70%は切らないように注意して下さい。
ウェットシェルターを1つ置いておくだけでも大丈夫です。

「脱皮は健康な証拠」と分かっていても、初めて見る時は結構ビビります。笑
見た目にインパクトがあるのでびっくりしますが、焦らなくて大丈夫です。
脱皮は15分~20分程度で終了します。
脱いだ皮は自分で食べてしまうので、「白っぽくなってたのに気付いたら普通の色に戻っている……」ということもよくあります。

脱皮不全を起こした場合は35度程度のお湯に浸す「温浴」を行いましょう。
ほかっておくと皮が残っている部分が壊死してしまいます。

まとめ

簡単にポイントをまとめると以下になります。

  • 毎日朝晩2回、壁に水滴をつくる感じで霧吹きを行う
  • 餌はその生体毎の給餌間隔にあわせて食べるだけあげる
  • 活き餌を使用する場合は必ずカルシウムパウダーを使用

楽しいレオパライフを送ってください!

 

ヒョウモントカゲモドキの飼育書はこれ1冊あればOKというほど詳しく記載されています。
毎日の世話や病気などの基礎知識だけでなく、いかにして生体のストレスを軽減するかなど、かなり専門的な内容が載っています。
お勧めの1冊です。

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