CBとWCの違いについて

CBとWCの違いについて説明します。

基礎知識

最初にCBとWCの意味を解説します。

CBとは?

CBのイメージcaptive breedingまたはcaptive bredの略で、人工繁殖された個体を意味します。
単純に「シービー」といわれる場合が最も多いですが、「キャプティブ」といわれる場合もあります。

メリット

  • 生まれた時から人間の飼育下にいるため、生体にいわゆる「キズ」がつきにくい
  • 最初からピンセット給餌などさせていれば比較的餌付きやすく、育てやすくなる
  • 寄生虫や病気などの心配が少ない
  • WC個体より繁殖がしやすい場合が多い

総じて、WC個体よりも状態が良いことが多いのがCBのメリットです。

WCとは?

WCのイメージwild caughtの略で、野生で捕獲された個体を意味します。
caughtはcatchの過去形です。
「ワイルド」や「ワイルド個体」といわれます。
単純にwildの略で「WD」と表記される場合もありますが、これもWCと同義になります。
どちらかというとWCは両爬界で、WDは熱帯魚界で使われるイメージがあります。

WC同士の子供はCBとなります。

メリット

  • 完全に自然下で育っているため大きく育ちやすい傾向の種が多い
  • CBに比べて色が鮮明で美しくなる場合が多い
  • 人為的にインブリードされていないため、血統的に長生きできる個体が多い

CB個体よりも自然下で育った分、体格がよく美しく育つケースが多いです。

どちらを選ぶべきか?

欲しい種がCBもWCも流通していて選択肢がある場合は、

  • 初めてその種を飼育する場合はCB
  • 飼育に慣れている場合はWC

という選び方が良いと思います。
WC個体は体格がしっかりしていて色も美しい場合が多いですが、どうしても餌付きにくかったり寄生虫のリスクを持っていたりと、育てにくさがあります。
最初から人の飼育下にいる分、育てやすさはCBが上ですので落ちてしまう確率を低くできます。
人工繁殖に成功していなかったり確立されていなかったりする種が欲しい場合は野生化で採取された個体しか選択肢がなくなりますが、その場合は「CR」(captive raised)と書かれているものを選ぶと良いです。
この表記があるものはある程度飼い込まれていたり、トリートメントが施されていたりするので落ちる確率は下げられます。

ある程度飼育に慣れていればWC個体を選ぶのも良いと思います。
状態の悪かった個体を自分の手で立ち上げたり、餌食いの悪かった個体に餌付かせたり、といったような飼育の楽しみ方ができます。
またCB個体に比べて自然の環境下で育っている分体格が良くなりやすかったり体色が鮮やかになりやすかったりする傾向にあるので、そういった面でも飼育が楽しめます。

どちらが高いのか?

完全に種によります
飼育下での繁殖が難しい種類はCB個体の方が高くなります。
CB個体であればキズも少なく、餌付きやすくて落ちにくいという特徴があるためです。

逆にレオパのようにCBがたくさん出回っているような種類だとWCの方が高くなる場合もあります。
現在出回っているレオパは世界中で親戚同士のような個体が多いと言われているので、血統の強化にWC個体が重宝されます。
また、レオパの場合はWC同士の子供(F1と呼ばれたりします)はブリーダーの間で高値で取引されます。
CBの良さとWCの良さを併せ持つ個体であるためです。

珍しい色や模様などの個体が発見された場合はCB、WC問わず高値で売られる確率がとても高いです。
爬虫類は哺乳類に比べて値段の振り幅が大きいように感じます。
ハムスターやデグーなどの値段に慣れていると結構びっくりします。笑
レオパの場合はWCでアルビノが発見された場合、新たなモルフの作出のために世界中のブリーダーで取り合いになるそうです(ロン・トレンパー談)。

まとめ

WCのイメージ
  • CBは餌付きが良かったり寄生虫の心配も少ないので落ちにくい
  • WCは自然下で育っているため体格が良く体色が鮮やかな場合が多い

と、言うことができます。
お迎えを検討されている場合は、上記の視点も交えて個体を選んでみてください。

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