レオパがクリプトスポリジウム症になってしまった場合の症状や対処についてまとめます。
クリプトスポリジウム症とは?
「クリプトスポリジウム」という原虫による病気です。
ドメイン | 真核生物 |
---|---|
上門 | アルベオラータ |
門 | アピコンプレックス |
科 | クリプトスポリジウム |
属 | クリプトスポリジウム |
略して「クリプト」と呼ばれています。
この原虫はごく小さな単細胞生物です。
人間を含む脊椎動物の胃や腸の中に寄生し、無性生殖で増殖していきます。
糞として排泄されるため、糞がクリプトの感染源となります。
検査への感度が非常に低く、獣医へ連れて行って検査を行っても1度では発見できないケースが多いです。
4~5回程検査を繰り返してクリプトと診断される場合が殆どです。
症状
クリプトに感染すると、以下の症状が現れます。
- 食欲不振
- 吐き戻し
- 下痢
- 体重の減少
温度も適温であり、特にストレスも考えられないのに餌を食べない、または餌を吐き戻してしまう場合はクリプトを疑いましょう。
感染した個体は餌を食べても吐き戻してしまうので栄養が取れず、上記の写真のように別の生き物と見間違える程やせ細ってしまいます(このように、レオパは極限まで栄養が足りない状態になると鱗が毛羽立ったような尾になります)。
人間にも感染する
クリプトは人間にも感染します。
しかし、健康な成人であれば感染しても多少お腹を壊す程度で済み、重症化することはほぼありません。
家の中に乳幼児、妊婦、高齢者、発熱で免疫が落ちている人などがいなければ過度に恐れる必要はありません。
生体の給餌やメンテナンス後は必ず手洗いうがいを心掛けていれば人への感染は防げますので、しっかりと実行しましょう。
レオパが感染してしまったら
根本療法が存在しない
この病気は人間に感染した場合は完治しますが、レオパに感染した場合は完治することはありません。
9割以上がクリプトが原因で死んでしまいます。
レオパは割と生命力が強い生き物であるので、これでもかというほど痩せ細ってもそれなりの期間は生きていたりします。
見ていてかなり可哀想になりますので、しっかりと感染対策をしましょう。
感染させないことが大切
クリプトはトカゲやヤモリが一度感染してしまうと現代医学では治す方法が無いので、予防が最も大切になってきます。
煮沸消毒やアルコール消毒で理論上は滅菌処理が可能ですが、それでも菌を始末しきれず、飼育器具を使い回した個体がまたクリプトを発症してしまうケースは多く見受けられます。
もしも飼育個体がクリプトを発症してしまった場合、ケージ、ピンセット、水入れ、シェルターなどその個体に使用した器具は全て破棄するのが最善の選択です。
また、新しい個体を購入した際はクリプト持ちであることも危惧し、先住の個体に使っているピンセットを使い回さないようにするとより安全です。
輸入個体を購入した場合は特に注意が必要です。
レオパをお迎えする際は、信頼できるブリーダーやペットショップから健康な個体を購入するようにしましょう。
まとめ
本病気に対する根本療法はありません。
万が一発症した場合は厳重に他の個体と隔離し、集団感染を防ぎましょう。
治療法が存在しないので、日々の予防が最も大切です。
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