レオパと共にトカゲモドキ界の人気の双璧を成す「ニシアフリカトカゲモドキ」(英名:ファットテールゲッコー)の特徴や飼い方を説明します!
レオパことレオパードゲッコーは爬虫類界において圧倒的人気と知名度を誇りますが、「ニシアフ」ことニシアフリカトカゲモドキもある程度飼いやすくモルフも豊富で多くの人を魅了しています。
「可愛い」という言葉が一番当てはまる爬虫類です。
特徴
ニシアフリカトカゲモドキは茶色っぽい色の個体が多いです。
ノーマルの個体も茶色をしています。
英名では「ファットテールゲッコー」と言いますが、その名の通り尾が太いヤモリです。
健康な状態のレオパの尾とニシアフの尾を比較しても、ニシアフの尾の方が圧倒的に太いです。
太いのは尾だけではなく全体的にムチっとしており、ふんわりした可愛らしい雰囲気がある爬虫類です。
目も黒くてぱっちりとしており(光にかざすとうっすら縦線が見えます)、爬虫類が苦手な女性に見せると結構認識を改めてくれたりします。
手に取ってみると柔らかく上質な肌触りで、多湿系であることを示すように肌がしっとりとしています。
用意するもの
最低限、以下をご用意下さい。
- ケージ
- シェルター
- ピンセット
- 床材
- 水入れ
- 霧吹き
- カルシウムパウダー
- 温度計・湿度計
- パネルヒーター
ケージについては以下の記事でおすすめを紹介しています。
その他必要なものは以下の記事で詳しく解説しています。
ニシアフはレオパに比べて脱皮不全を起こしやすいため、ウェットシェルターは必ず用意して下さい。
また、以下のものも用意しておくと尚良いです。
お迎え時に必ず必要ではないので、「次の給料日後に買いに行こう」という程度で良いです。笑
整腸剤です。
腸閉塞を起こしてしまった際に使用すると、病院へ行って開腹手術を行わなくても済む場合があります。
無糖のヨーグルトでも代用可能ですが日持ちしないので、このように日持ちするものを常備しておくといざという時慌てなくて済みます。
お迎え時の注意
餌の与え方を確認する
お迎え場所がイベントでもペットショップでも、必ず店員さんまたはブリーダーさんにどのように餌を与えていたかを必ず確認しましょう。
ニシアフリカトカゲモドキはヒョウモントカゲモドキに比べてグルメな個体が多いので、餌が変わっただけで簡単に拒食を引き起こす可能性があります。
以下のことを必ず確認して下さい。
- 餌食いは良いか
- なんの餌を与えていたか(コオロギならイエコかフタホシかまで)
- 足や触覚は捥いでいたか
- カルシウムパウダーはかけていたか(ダスティングを行わずにケージ内に常設する方法を取っている場合は、白いものを餌だと認識しなくなる場合があります)
- 給餌間隔はどのくらいか
きちんとした店員さんやブリーダーさんであれば、飼育者の質問には面倒がらずにしっかりと答えて下さいます。
しっかりとこちらの質問に答えてくれるかも、購入の基準としても良いでしょう。
生体のチェックポイント
以下を基準に生体を選びましょう。
- しっかりと眼が開き、弱っていないか
- 脱皮不全を起こしていないか
- 尾は太いか
- 顔色は良いか
- 腹は不自然に膨らんでいないか(腸閉塞)
CBの場合は尾が再生尾の個体であっても、しっかりとした尾で元気そうにしている個体であれば何ら問題ありません。
WCの場合は再生尾の個体は性格が臆病である傾向がありますので、避けた方が無難です。
お迎え当日
購入手続きとペットショップまたはイベントでの用事が済んだら、寄り道せずにさっさと帰宅しましょう。
移動時のストレスを軽減することは、生体の負担を減らすことに繋がります。
帰宅したらさっさと写真撮影を終え、セットしたケージへ生体を入れてあとは放置して下さい。
ウェットシェルター内に隠れて姿を見せてくれないことが殆どですが、脱走していなければそれで大丈夫です。
また、お迎え当日に給餌するのは間違ってもやめましょう。
ニシアフは比較的環境の変化に弱い個体が多く与えても食べないか、食べても吐き戻してしまう可能性があります。
どちらにしても生体に負担をかけてしまうので、お迎え当日は放置スタンスを貫いて下さい。
翌日以降
店員さんまたはブリーダーさんに伺った通りに、給餌を開始します。
餌は頭よりも一回り小さいくらいのサイズのものを与えます。
あまり大きなサイズのものを与えると捕食の際に顎が外れてしまったり、消化不良を起こして吐き戻してしまったりします。
ここで食べてくれれば問題ありません。
誤飲に気を付けて今後も給餌してください。
食べてくれない場合は1週間程度、毎日給餌をして様子を見ます。
単純にまだお腹が空いていないだけであれば、そのうち空腹に負けて餌に食い付きます。
腸閉塞を起こしている様子もなく、元気なのに餌を食べない場合は餌を餌だと認識できていない場合があります。
そのような場合は餌の頭を千切って口元に持っていき、体液を舐めさせてください。
そうすると餌だと気付いて食べてくれます。
また、本種は夜行性のため、朝よりも夜に給餌する方が食べてくれやすい場合もあります。
どうしても食べない場合は一度部屋を暗くして食べさせてみて下さい。
1週間を過ぎても食べない場合は購入元へ相談するか病院へ連れて行ってください。
温度と湿度

湿度
ニシアフリカトカゲモドキはヒョウモントカゲモドキよりも湿度に敏感です。
(というか、ヒョウモントカゲモドキが乾燥にある程度は強く、育てやすすぎるのかもしれません)
ケージの湿度は60%を切らないように管理して下さい。
70%~80%あれば至適です。
ニシアフはレオパよりも脱皮不全を起こしやすい為、ケージには必ずウェットシェルターを常備して下さい。
ドライシェルターで使いたいものがある場合は、広めのケージを買ってウェットシェルターと併用するのがベストです。
ウェットシェルターさえ入れてしまえばだいたいの脱皮不全は回避できますが、万が一脱皮不全を起こしてしまった場合はアリオンシェッドを吹くのが一番良いです。
温度
ニシアフの生息地はその名の通り西アフリカで、1日中温度が28度前後の地域に住んでいます。
シェルターに籠りきりで出てこない場合は、シェルターの外が28度から大きく外れている場合が多いです。
ケージ全体の温度を28度前後で保つように、保温器具を駆使して下さい。
ハンドリングについて
本種はビビりな性格の個体が多く、ハンドリングに慣れるまで時間がかかる場合が多いです。
また、長時間のハンドリングもストレスだと感じやすいので控えたほうが良いです。
食後にハンドリングすると最悪食べた物を吐きだす可能性がありますので絶対に行わないでください。
まとめ
飼育のコツは以下です。
- 湿度は60%を切らないようにする
- ウェットシェルターを入れる
- 温度は28度前後を保つ
- 活き餌は必ずカルシウムパウダーをダスティングする
- 食後はハンドリングしない
- 日頃ハンドリングしすぎない
多少温度や湿度に気を使う種類ですが、難しすぎて初心者は飼えないということはありません。
守るべきことを守れば飼える種類です。
とにかく可愛いヤモリなので、是非一度飼ってみて下さい!
関連商品
国内でニシアフリカトカゲモドキ専門の飼育書は発売されていません(2019年現在)。
ビバリウムガイドの70号・REPFANの4号でニシアフリカトカゲモドキ特集がありますので、よろしければご覧下さい。
ビバリウムガイドでニシアフリカトカゲモドキを特集するのは、創刊以来70号が初めてだそうです。
上記のビバリウムガイド70号は出版元の在庫がなくなってしまったようで少々お高いですが、REPFANであれば定価で購入することが可能です。
写真が綺麗で見ていてとても楽しいです。
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ニシアフリカトカゲモドキのモルフが気になる方はこちらへどうぞ!
困った時は
ニシアフリカトカゲモドキはヒョウモントカゲモドキと基本的な体の造りは似ているので、困った時は同じ用に対処できます。
以下はレオパ向けの記事ですが、ニシアフにも同じように適用できます。
困った時は以下の記事を読んでみて下さい。
腸閉塞を起こした際はこちら
吐き戻しを起こした際はこちら
クリプトスポリジウム症に感染した場合はこちら
脱走した時はこちら
拒食した時はこちら
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