2018年6月18日、関西圏で震度6弱の地震が発生しました。
これに関しまして、今一災害時のペットへの対応について、対応をまとめたいと思います。
今回の地震で大きな被害がなかった地域の方も、災害時に備えて一読頂きたく思います。
水棲生物(魚類など)への対応
地震で電力不足が指摘される際は水槽のライトなど、なくても直接生死に関わらないものは使用を中断して下さい。
また、サーモスタットの設定温度もいつもより低くして下さい。
21~22℃もあれば、生体が死ぬことはまずありませんし、多少は電力使用量を抑えられます。
もちろん白点病などが出るリスクはありますが、停電になってしまえば元も子もありません。
一人ひとりが適切な対処を心掛けることで、停電のリスクを下げましょう。
また、ヒーターが原因による出火にも十分注意して下さい。
ヒーターが水の中から出てしまうと、そこから火災が発生する可能性があります。
最近のヒーターは水から出た状態で通電すると、自動的に電源が切れるようになっています。
しかし、少し前のものにはそのような機能はありません。
余震等の影響で、以下の状況が発生することが考えられます。
- 水槽の水が溢れる
- ポンプが外れ、水槽の水が外へ吐出してしまう
- 水槽自体が割れてしまう
- 水槽が台等から落ちる
上記の状況に1つでも当てはまれば、ヒーターが水の中から出て、火災を招く危険性があります。
ヒーターを使用し続けるのであれば絶対に水から出ないような配慮・工夫をして下さい。
それが難しいと判断した場合は、厳しいことを言うようですがヒーターの電源を抜いて下さい。
魚の水槽を置いて避難されるような場合も、ヒーターの電源を必ず抜くようにして下さい。
大切な魚を死なせてしまうことになりますが、もしも魚用のヒーターから火災が出れば状況は更に悲惨なことになってしまいます。
また、熱帯魚用のヒーターをお持ちの方は、可能であればコンセントを抜いたヒーターを持って逃げましょう。
ガスが止まっても電気が来ている場合、これでお湯を温めることが可能です。
阪神淡路の震災のときは、このやり方で温かい水を供給することができました。
今ある器具を何に流用できるかも、考えておくと良いかもしれません。
爬虫類・両生類への対応
避難するような状況になったら、保温はすべて切って逃げてください。
遠赤外線ヒーター程度ならともかく、バスキングランプなどの高温を発するものはすべてコンセントから抜いてください。
そして、多人数が集まるような避難所には決して爬虫類を連れていかないでください。
要らない争いを生みます。
どうしても連れていくなら、人から見えない状態にして、誰にも分からないようにしてください。
生き物を置いて避難する場合、使い捨てカイロを数個ケージ内へ入れておけば、一晩くらいなら生体は大丈夫です。
その際、使い捨てカイロを2枚重ねるように置いてください。
これで普段より長持ちします。
巨大種・危険種の場合は、逃げ出してのパニックを防ぐため、連れ出さないようにしてください。
そして、敢えて温度を下げて動かないようにしてください。
もちろん、それによって生体が死ぬ可能性は高いです。
しかし、それらが「逃げて誰かの目に入りパニックが起きる」「連れ出してパニックが起きる」ということになれば、復興・復旧した際により大きな制限がかかります。
そうなった場合には、二度と趣味を楽しめなくなることもあります。
危険な地域では、死なすのが嫌なら早めに発泡スチロール箱に生体を詰め、使い捨てカイロで最低限の温度を確保するのがベストでしょう。
我々がやっていることは趣味です。
もちろん、これは私の家族だという人もいるでしょう。
しかしながら、我々が扱っている生き物は「不安な人たちをさらに不安にさせる生き物」です。
最悪の事態を防ぎたいのであれば、災害時には早めにパッキングして不測の事態に備えることをお勧めします。
爬虫類の餌に関して
絶対に暫くやらないでください。
ほとんどの爬虫類、両生類、魚類が、数週間、餌を食べなくても死にません。
むしろ、食わせた後に温度が下がったり移動させたりすると致命的になる場合もあります。
餌を吐き戻してしまえば消費しなくても良い体力を消費させてしまうことになります。
まずは水だけ与えておきましょう。
保温に関して
爬虫類は体温が上がれば活発になり、下がれば不活発になります。
要するに温度に依存して生きているわけです。
ここがポイントです。
死なない程度のギリギリの温度まで下げれば、彼らはエネルギーを消費しなくなります。
イコール消耗しなくなりますので、ひとまず死なないギリギリまで設定温度を下げましょう。
餌さえ与えていなければ、ここまで一気に下げても問題ありません。
電気がすべて途絶えても、発泡スチロール箱に入れて使い捨てカイロをいくつか入れておけば元気ではありませんが生きてはいけます。
そして、生かしておけば復活させることも可能です。
まずは温度を下げて、彼らが無駄なエネルギーを使わない環境を作りましょう。
哺乳類への対応
馴れている哺乳類は飼い主の心情を感じ取りますので、 飼い主がパニックになればペットも不安になります。
飼い主が落ち着いていれば、ペットのストレスも軽減します。
まずは飼い主が落ち着きましょう。
基本的に小動物は餌切れよりも水切れに弱いので餌よりも水に気を付けてあげてください。
水道がとまっている場合もあるかと思いますので、野菜類をたっぷりあげれば水も餌も摂取できるかと思います。
野菜でなくてもその辺のタンポポやヨモギ、ホトケノザなどの野草をあげても良いと思います。
複数匹飼われている方は、全部同じケージに入れるとくっついて暖をとるので温度も補えます。
動物同士の相性が良いのであればこの手もかなり使えますが、そうでない場合は殺し合いになる可能性もかなり高いのでカイロを使いましょう。
動物もパニックになってるかと思うので、ケージにはカバーを掛けて動物を落ち着かせてください 。
カバーをかければ鳥も多少は静かにしてくれるかとも思います 。
カバーがなければ新聞紙で代用してください。
こうすることにより、落ち着かせるだけでなく温度が逃げるのも大分防げるかと思います 。
ケージを持って避難する場合は、ウォーターボトルは外して別に持ってください。
水がこぼれて体温低下の原因になりかねません
草食動物全般(うさぎ、モルモット、チンチラ、デグー等)への対処
餌はたっぷりと置き餌してあれば3~4日近くは大丈夫だと思われます。
その場合、ペレット・牧草の両方を入れましょう。
好きな方から先に食べて 、残りを渋々ながらも食べてくれるので日にちが稼げます。
牧草はチモシー(イネ科)よりもアルファルファ(マメ科)の方が糖度が高く、低血糖状態を防ぐのに役立ちます。
電気系統が危なく、気温が低い場合場合は段ボールの中にケージを入れます。
その中にたっぷり牧草を敷き、人間用の湯たんぽを麻袋(最悪齧って食べてもまだ安心)にくるんで用意すると、温度が冷めるまでの時間が稼げます。
湯たんぽが無い場合、ペットボトルに出来るだけ温度の高いお湯を入れ、タオル等でくるんで置きましょう。
オレンジ色のキャップの暖かい飲み物用のペットボトルが、より熱さに強いです。
もし連れていった先でペレット等が手に入らない場合、バナナだと非常食で用意されている事も多いと思うので最悪バナナでしのげます(繊維質、糖分共に多いのでお勧めです)。
(アダルトのウサギでも一日15cm程度の長さを与えるだけでも低血糖は防げました)
フクロモモンガ
多頭飼いで最低で10℃まで下げたことがあります。
ペレットがあれば、餌も長期間大丈夫です。
嫌々でも、お腹が空けば食べます。
2〜3日までなら絶食に耐えてくれます(ただし、ベビーには該当しません)。
逃げるときには脱走の出来ない布ポーチに入れ、 洋服の中に入れれば良いです。
ポーチ・袋は、パイル地は爪に引っ掛かり危険なので、避けましょう。
最悪、Tシャツを切って風呂敷状にし、しっかり結んで逃げないようにすれば大丈夫です。
犬
水はできるだけ飲ませてあげてください。
餌はドッグフードなど普段食べ慣れているものを1日1食程度に与えましょう。
普段与えている餌が無くても犬は雑食性の強い動物なので、味が薄いものであれば人が食べているものを与えても大丈夫です。
最悪、2~3日は水だけでも大丈夫です。
犬も一緒に避難する場合、他人への迷惑・危害・他犬との喧嘩などを防ぐため、ケージやバリケンなどに入れて移動しましょう。
大型犬やケージに入るのを拒む場合、必ずリードをつけて脱走防止のため首輪は普段より絞っておきましょう(中指と人差し指が入るくらいの余裕があれば大丈夫です)。
できるだけリードは短く持ち犬の行動範囲を最小限にしておきましょう。
この時、首輪(鑑札が付いている場合は大丈夫ですです)やリード、ケージなどに犬の名前や連絡先を書いておくと、もし離ればなれになった時に再会する確率が上がります。
温度については、犬は比較的寒さに強いのであまり気にしなくても大丈夫です。
犬は賢い生き物です。
こんな時こそ飼い主のことを良くみています。
パートナーが不安になればそれは犬にも自然と伝わり、体調を崩したり混乱の原因になってしまいます。
まずは飼い主が冷静になり堂々とし、しっかりとリーダーシップをとってあげましょう。
まとめ
ペットの安全を第一に考えたくなる気持ちは分かりますが、優先順位をしっかりとつけて行動しましょう。
飼い主が死んだらペットが生き残ることは不可能です。
まずは、自分の安全を第一に考えましょう。
※本記事は別のブログの記事を管理人様に許可を頂き、編集の上転載しています。
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