牧草の種類について

草食動物を飼育する上では共通の知識となる、牧草の種類を紹介します。

うさぎ、モルモット、デグー、チンチラなどの草食動物は

  • 牧草は常に食べ放題にしておく
  • ペレットは体重の一定割合前後を補助的に与える
  • その他副菜やおやつを時たま与える

という飼育方法が主です。

牧草は草食動物にとって重要な栄養源になります。
しっかり知識をつけましょう。

牧草は主に「イネ科」の牧草と「マメ科」の牧草に分けることができます。
イネ科は繊維質が高く、マメ科はたんぱく質とカルシウムが多く含まれて嗜好性が高いという特徴があります。

牧草の種類について

「チモシー」について詳しく解説します。

「たくさんありすぎて覚えられません」という方は最低限「チモシー」と「アルファルファ」の2種類を覚えておけば良いです。
(現在日本では小動物の飼育にはこの2種類が最も多く使われ、それ以外はチモシーを食べない個体への代替品として扱われることが多いです)

チモシー

科:イネ科
和名:オオアワガエリ

草食動物を飼育する際の牧草として、日本では草食動物の主食としては最も一般的に用いられています。

チモシーには「一番刈り」「二番刈り」「三番刈り」という種類があります。
草が生えてきて一番最初に根元から刈り取ったのが一番刈りで、その次に生えてきたものが二番刈り、その次が三番刈りというようになります。
一番刈りが最も繊維質が豊富で硬く、主食として適しています。
二番刈りは歯が弱かったり、牧草の食いが悪い個体に与えます。
三番刈りは柔らかいので敷き牧草(床材や巣材などに使用する)に向いています。

イネ科の植物にアレルギーがある方は扱う際には、牧草から出る粉が最もアレルギー発症の原因になりやすいです。
アレルギーが出にくいように、牧草から出る粉をふるい落としたものもあります。
心配な方はそのようなものを選びましょう。

アルファルファ

科:マメ科
和名:ムラサキウマゴヤシ

こちらは耳馴染みのある名前かもしれません。
アルファルファのスプラウトは人間用のサラダなどによく用いられています。

嗜好性・栄養価共に高く、日常的に与えることは現在の日本の飼育方法ではあまりありません。
ただし、妊娠中や産後、闘病中、幼齢期や老齢期の個体に与えるには適している牧草です。
幼齢期の個体にアルファルファを与える場合、チモシーを混ぜておくという与え方をお勧めします。
このような与え方をすると、若年期以降チモシーへの切り替えがスムーズに行える可能性が高くなるためです。

オーツヘイ

科:イネ科
和名:エンバク

デグーやチンチラのトリーツとしてよく与えられる「エン麦」を栽培し、収穫したものがオーツヘイです。
一般的に「猫草」と言われるものは乾燥させる前(生牧草)のオーツヘイのことを指します。

チモシーよりも嗜好性が高めのため、牧草を食べない個体は一度オーツヘイを試してみると良いかもしれません。
糖度もチモシーよりも高いです。
肥満気味の個体やダイエット中の個体に与えるのは避けましょう。

オーチャードグラス

科:イネ科
和名:カモガヤ

チモシーよりも柔らかいのが特徴です。
歯が悪い個体に与えるのに適しています。
柔らかいため、一番刈りが苦手な個体に与えるのにも向いています。

甘いような、独特の香りがします。

バミューダグラス

科:イネ科
和名:ギョウギシバ

芝生として用いられているのが本種です。
ご想像が出来る通り、細くて柔らかいのでこちらも歯が悪い個体に与えるのに向いています。
食いつきは悪い個体が多いようですが、食べない場合は一度試してみるのは良いと思います。

まとめ

乱暴な言い方になりますが、

  • 普通はチモシー一番刈りを与える
  • 闘病中や産後、幼齢や老齢の個体にはアルファルファを与える
  • チモシー一番刈りを食べなければ上記の牧草を試してみる

と覚えておけばまず大丈夫です。

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