ハイブリッド(異種交雑)とは何か

本記事では、生物的な意味での「ハイブリッド」とは何なのか、「ハイブリッド」の何が問題なのかを解説します。

ハイブリッドとは

ハイブリッドな生き物の例

ウーパールーパーのイメージハイブリッドとは、「異なる種を掛け合わせて誕生した生物」のことを指します。
例えば、

  • キャンガリアンハムスターないしジャンベルハムスター(キャンベルハムスター×ジャンガリアンハムスター)
  • ファンタジーツノガエル(アマゾンツノガエル×クランウェルツノガエル)
  • ヴィティキンスドラゴン(ランキンスドラゴン×フトアゴヒゲトカゲ)

等のことを指します。
上記ではペットルートに乗るようなハイブリッドな生き物を紹介しましたが、ペットとして扱われないような例を挙げると

  • ライガー(ライオン×トラ)
  • ラバ(ロバ×馬)
  • ビーファロー(バッファロー×牛)

等が存在します。

ちなみに、現在日本国内で流通しているメキシコサラマンダー(ウーパールーパー)はアルビノ個体の作出の際にタイガーサラマンダーとの交配を行っています。
そのため、流通しているウーパールーパーはほぼ全てハイブリッドと思われます(ただし、血は非常に薄くなっています)。

「雑種」と「ハイブリッド」の違い

ここで、「じゃあ雑種の犬はハイブリッドなのか?」という疑問が浮かんでくることかと思います。
雑種とハイブリッドは全く異なります
雑種は「同じ種の掛け合わせ」ハイブリッドは「違う種の掛け合わせ」であるため、両者には明確な違いが存在します。

例えばゴールデンレトリバーとラブラドールレトリバーは両方とも「Canis lupus familiaris」という学名を持つ「同じ種」です。
よって、「ハイブリッド」ではなく「雑種」という扱いになります。

一方で、上記で例に出したキャンベルハムスターは「Phodopus campbelli」、ジャンガリアンハムスターは「Phodopus sungorus」という学名で、同じ「メキヌゲネズミ属」であっても「異なる種」であることが分かります。

よって、キャンベルハムスターとジャンガリアンハムスターを親に持つ個体は「雑種」ではなく「ハイブリッド」という扱いになります。

ハイブリッドの問題点

ハイブリッドについて色々と調べていくと、どちらかというと批判的な記事や推奨していないような記事が散見されると思います。
ハイブリッドの個体を生み出す問題点について解説していきます。

ハイブリッドの個体は先天的な障害を持っている場合がある

ハムスターのイメージハイブリッドの個体の問題点に、先天的な障害を持っている場合があるということが挙げられます。

例えばジャンガリアンハムスターとキャンベルハムスターを交配すると、産まれた子供のオスはほぼ生殖能力のない個体となってしまいます。
メスの個体は生殖能力を持つ個体も多くいるようですが、先天的に異常があり、病気にかかりやすかったりその際の抵抗力が弱かったりする傾向にあります。

異種の交配は同種の交配と比べて遺伝子的に問題のある個体が産まれやすいので、タブー視されることが多いです。

雑種の犬は純血の犬よりも強い

犬のイメージここで湧いてくるのが「じゃあ雑種の犬は純血の犬よりも劣るのか?」という疑問だと思います。
雑種の犬は純血の犬よりも遺伝的問題は起きにくい場合が多いです。

前述したとおり、「雑種」は同じ種同士での掛け合わせのため「ハイブリッド」とは根本的に異なります。
同じ種の中で掛け合わせた場合は遺伝子が遠ければ遠いほどその個体の持つ遺伝的欠陥を補完できる確率が高くなります(これを「雑種強勢」と言います)。
意外に思われる方もいるかもしれませんが、実は純血種の方が遺伝子が近いために欠陥を補完しにくく、先天的な疾患を引き起こす可能性が高いです。
(※一例を挙げるために犬を使いましたが、犬種により起きやすい疾患は様々です。お迎えを考えている方はその犬種について、きちんと調べて下さい)

これは人間にも同じことが言え、体臭がいい匂いだと感じる人の方が遺伝的に遠い可能性が高いということが証明されています。
(特に男性よりも女性に、この特徴は顕著に出るようです)
これも犬の例と同じで、同じ種であれば遺伝子が遠い方が血が濃くならず、障害を持つ個体が産まれにくくなるということからきています。

最後に

可愛がられているハムスターのイメージ本記事は、ハイブリッド個体の飼育を批判したり、存在自体を否定したりする記事ではありません
「ハイブリッドであろうとなかろうと、自分が一度飼育すると決めた個体である以上は『可愛いペット』『家族』である」ということは、こんなサイトを運営しているような人間であれば理解しています。

ハイブリッドの個体を作出しようとする方は(ハイブリッド個体の作出の是非についてはここでは触れませんが)、リスクやデメリットをきちんと理解した上で「異種交配」と向き合って下さい。