「両生類」と「爬虫類」の違い

本記事では、爬虫類と両生類の違いを解説します。
日本語では「両爬虫類」や「両爬」、英語では「herptile」等と一括りにされていまいがちですが両者の生態は全く異なります。
特に両生類は、きちんと生態を把握していないと飼育することはできません。
サンショウウオ、カメ、カエル、トカゲ、ヤモリ、イモリ……どれが爬虫類で両生類か分かりますか?

両生類と爬虫類の違い

簡単に両者の違いを説明します。
両生類は「水と陸の両方ないと生きられない種類」で、爬虫類は「陸上で生きていける種類」です。
(両生類は「水と陸の両方で生きられる種類」という認識は誤りです。「両方ないと生きられない」が正しいです)
爬虫類は両生類よりも新しい種類で、「水辺から離れると生きていけない」という点を改善したグループです。
両生類の卵は柔らかく、水から出すと乾燥して死んでしまいますが爬虫類の卵は殻があり、乾燥に耐えることができます。
また、両生類の皮膚は柔らかく湿っているのに対し、爬虫類の皮膚は鱗で覆われていて乾燥に耐えられる仕様になっています。
両生類の皮膚はいつも湿っていますが、基本的に両生類は皮膚に毒があると思っておいて下さい。
アカハライモリやアマガエルも、微弱ですが毒を皮膚に持っています。
野生のヤドクガエルを素手で触った際、すぐに手のひらが痛み出して慌ててカエルを手から下ろしたという話もあります。
両生類を素手で触った後は必ずよく手を洗うようにして下さい。

両生類は淡水が9割

「人は見た目が9割」みたいなノリですが、現生の両生類は9割以上が淡水域で生活しています。
残りの1割は汽水域で、海水域で生活する両生類は現在存在していません。
これに対し、ウミイグアナやウミヘビなど、爬虫類は海水域で生活できるものもある程度存在しています。
これも皮膚が鱗で覆われているから海水域に進出できたものだと考えられています。

両生類は変態する

「オタマジャクシがカエルになること」というのが、最も分かりやすい変態の例です。
アマガエル等飼ったことがあると分かりますが、オタマジャクシのうちは陸地を作らなくても飼えます。
しかし、カエルになると陸地を作らないと溺死してしまいます。
これは幼体のうちはエラ呼吸をしているのに対し、成体になると肺呼吸に切り替わるためです。
(ちなみにオタマジャクシを飼育する際は、足が生え始めたら陸地を作りましょう。
この頃に肺呼吸に切り替わり始めるので、このタイミングで陸地がないまま飼育していると溺死してしまいます)
これと同様、イモリやサンショウウオも幼体から成体になる際に変態します。
なお、ピカチュウがライチュウになることを「進化」と言いますがこれは生物学的には「変態」が正しい表現です。

例外たち

上記にあてはまらない、例外も中にはいます。

ウーパールーパー(メキシコサラマンダー)

ウーパールーパーのイメージ画像

「あれ、サンショウウオって両生類なんでしょ?ウーパールーパーって陸地なくても死ななくない?」と思われた方はいると思います。
ウーパールーパーは、幼体のまま一生を終えるという、非常に変わった生態を持っています。
オタマジャクシのままカエルにならずに天寿を全うするのです。
ただし、特定のやり方で変態させることはできます。(愛嬌はだいぶ薄れます……)
勿論、その場合は水場だけでは飼えません。陸地が必要になります。

陸地の要らないカエル

アフリカツメガエル等陸地を必要としないカエルもいますが、これらも肺呼吸なのでたまに水面へ呼吸するために出てきます。
従って、水槽を全て水で満たしてしまうと溺死します。

ウミガメ

ウミガメのイメージ画像

「ウミガメは海にいるのに何で爬虫類なんだ?」と、思うでしょう。
ウミガメが爬虫類である根拠は、

  • 卵が殻で覆われていて、陸地に産卵する
  • 皮膚が鱗で覆われている
  • 変態せず、最初から肺呼吸

というところです。

ウミガメは肺呼吸ですので、当然息継ぎをしなければ死んでしまいます。
漁船の網にウミガメが引っ掛かり、そのまま溺死する事故も起きています。

まとめ

両者の違いは

  • 両生類の幼体鰓呼吸、生体は肺呼吸
  • 爬虫類は最初から肺呼吸
  • 両生類の卵は寒天質で水辺で産卵する
  • 爬虫類の卵は殻に覆われて陸地で産卵する
  • 両生類の皮膚は湿っており毒を持つ種類が多い
  • 爬虫類の皮膚は鱗で覆われていて乾燥に耐えられる
  • 両生類は水と陸の両方が無いと生きられない
  • 爬虫類は基本的に陸だけで生きられる

ということになります。

従って、
サンショウウオ、カエル、イモリが両生類(水と陸の両方でしか生きていけない)
カメ、トカゲ、ヤモリが爬虫類(陸上で生きていける)となります。

両生類の飼育の際は(別に両生類に限った話ではないですけどね)、事前に自分で調べるなり店員さんに聞くなりして、しっかり知識をつけてから飼いましょう!